5月17日、板橋区議会 都市建設委員会(閉会中審査)
「『荒川将来像計画2010 地区別計画【板橋区】』(案)の公表および意見募集」について、みどりと公園課長から報告があり、質疑がかわされました。
この計画は荒川河川敷の有効利用に関する計画で、5月19日づけ「広報いたばし」に概要が掲載され、6月18日まで、区民からの意見募集(パブリックコメント)を行うといいます。
計画名に「2010」とあるように、2010年から検討されつづけ、今回ようやく公表と意見募集にこぎつけたものです。
じっくり時間をかけて検討されたことはよいとしても、この2年の間には「東日本大震災」がありました。
この震災をうけて都や区の災害対策も見直しがすすめられている状況です。
首都圏直下型地震の新たな被害想定も先日、発表されたばかりです。
しかし、この『荒川将来像計画』には、こうした見直しが反映されていません。
計画の冒頭のまえがきには「地震時の避難場所」と書かれ、
計画の基本方針の第1の柱は「災害に対応した整備の促進」が掲げられ、
「荒川河川敷は地域防災計画において広域避難場所に指定されており、地震等の災害時の防災ネットワークとなる緊急用河川敷道路や防災船着場がすでに整備されている」とあります。
地震があっても河川敷は安全…という前提で計画が立てらているのですが、はたしてそれでいいのか?
東京都自身が発表した首都圏直下型地震の新たな被害想定では、荒川河川敷周辺は「震度6弱」の揺れがおこる可能性があるとされ、
地盤の液状化の可能性が高いことがわかっています。
津波についても「3・11」のとき、実際に荒川の水面は40センチも上昇したことが観測されています。
東京湾内に震源があれば、それ以上の高さの津波が板橋区内の荒川河川敷に到達することも想定すべきです。
私は、質疑のなかで「この計画について区民の意見を募るならば、災害対策について再検討中であることを注釈すべきだ。河川敷が地震時も安全であるかのような不正確なメッセージを発信すべきではない」と意見をのべました。
課長は最初は抵抗していましたが、さいごには「検討してみます」と答えてくれました。
安全度を確かめたうえでの活用を検討してほしいものです。