14日の区議会本会議で日本共産党の小野修悦議員が一般質問をおこないました。質問のなかの大谷口上町の住宅改良事業の問題点についてふれた部分については、私も現地を見て、関係者にも話を聞いて、質問づくりに協力させてもらいました。
当事者にとっては歯がゆいところが多々あるかもしれませんが、この質問が問題解決のきっかけになることを望みます。
小野議員の質問と石塚区長の答弁を紹介します。
大谷口上町地域の住宅地区改良事業について質問致します。
大谷口上町の住宅密集地域の解消と防災化を目的とした住宅改良事業は、すでに不良住宅の除却工事が始まり、今議会には、共同住宅建設にかかわる案件も提出されて、具体的に進められているさなかです。
しかし同じ地区のなかに、今回の住宅改良事業から切り離された地域や家屋があり、事業がすすめば進むほど、こうした地域では住民の不安が高まっています。
防災のまちづくりの観点からも、傾斜のきつい不安定な地盤のうえに住宅密集地が残されるのでは不完全であり、その解消が急がれています。
今回の住宅改良地域から切り離されて地域ではすでに「住宅の共同化のための協議会」がつくられていますが、ひとつの手法にこだわることなくあらゆる手法を用いてまちづくりをすすめるべきです。どのような手法が可能なのかを含め、今後の展望をお示しください。
また、いまなお何の手立ても講じられないまま、取り残された家屋が数軒あります。事業が完了したあと、鉄筋コンクリートの集合住宅のなかに古い木造家屋が残るのでは、防災上も問題があり、何よりも住む人にとって、今回の事業によって住環境の激変を強いるものとなっています。
こうした家屋の住民の方にもていねいに意向を聞き、住宅改良事業地区と一体的な効果的防災まちづくりの計画をつくるべきと考えますが、いかかですか。
もとより、まちづくりは住民の合意と協力なしにはなりたたない課題です。しかし、今回、区と住民の信頼関係ではいくつかの反省すべき問題も生じています。あらためて、住民との良好な信頼関係を築く十分な努力を払うことを求めるものです。
石塚区長の答弁
大谷口上町の住宅改良事業地区に隣接した共同化検討地区につきましては、地形、住環境の面から極めてまちづくりの必要性が高い地域であると認識しておりまして、平成14年度以降、地区の権利者の皆様と協議会をつくって、まちづくりの方向性を検討してまいりました。
そこで、現在の到達点としては、大谷口地区に適用されている密集事業を活用いたしまして、弾力的に共同化事業を進める方向で考えております。今年度の検討作業では、おおむねの計画案がまとまってきましたので、今月中に権利者の皆様に個別提示しながら合意を形成していきたいと考えております。
この住宅地区改良事業は、国土交通大臣によって指定されて実施している事業でございますけれども、ご指摘の住宅については改良地区内ではありますが、現計画では区が買収しない建物ということになっているわけであります。今後、買収に係る意向調査を実施した上で、計画の変更について国と東京都の方に協議をしていきたいというふうに思います。
それから、大谷口上町地区のこのまちづくりについては、現在、事業が具体的に動き出している状況にありますので、地区内の権利者の皆様の意向についても事業の進展に応じて変化しているものと考えられます。この状況を踏まえて、今後とも権利者意向のきめの細かい把握に努めて、弾力的対応しながら信頼関係を構築していきたいと思っております。