「今お示しいただいた資料でございますけれども、確かに同行された青山先生が書かれた部分はありますけれども、資料そのものは視察した(自民・公明の)都議団がまとめたものでございます」
これは10月31日の板橋区議会決算調査特別委員会で坂本健区長の代理人として総務部長が答弁したものです。
「資料」とは、坂本区長が都議会議員時代に行った海外視察の報告書を「執筆」した際に参考にしたと区長が主張する「ニューヨーク市内視察資料」のこと。
坂本区長はこの資料から丸写しして報告書をでっち上げた事実を認めようとしていません。冒頭の答弁は、この「盗用」の事実を否認するために、もとになった「資料」そのものが区長側が書いたものだと主張しているのです。
しかし、この視察に同行した青山先生はしんぶん赤旗日曜版の取材に答えて「写真や図も私が作った資料を、そのまま使っていた」(同紙11月23日付け)と語っています。テレビ朝日の番組のなかでも青山先生は同様のことを証言しています。
「ニューヨーク市内視察資料」は、坂本区長ら自民党都議団が作成したものなのか? 青山先生が作成したものなのか?
この矛盾は、「引用しただけだから、問題はない」という坂本区長のこれまでの主張では解決できません。
きょう、総務課は決算委員会で提出を約束していた「ニューヨーク市内視察資料」を「提出しない」と「回答」してきました。「都議会にその資料が保存されていない」というのがその理由です。しかし、「資料」は私もすでに入手しているものですし、マスコミ(少なくともテレビ朝日)も持っている「資料」なのです。だいたい坂本区長自身が「参考資料」として「報告書」にリストアップしているのですから、「都議会にないから」では言い訳にもなりません。今回の「回答」は受け入れるわけにはいきません。
「『資料』と『報告書』を比較すれば、丸写しが明らかになってしまうから、出せない」――これが本当の理由なのではないかと疑わざるを得ません。
坂本区長は、事実を正直に話すべきです。区長…、というより、社会人としての資格が問われています。