26日の一般質問で私は「高齢者にあたたかな施策を求めて」という項目を立て、「後期高齢者医療制度」について区長の見解を質問しました。区長の答弁とともに紹介します。
「後期高齢者医療制度」は中止・撤回に
「後期高齢者医療制度」について、先日の広域連合議会において、保険料額が決定されましたが、一人当たりの年平均保険料は10万2900円とされ、所得が少ない世帯ほど、より重い負担が課せられることになります。
この制度の内容を知る人が増えれば増えるほど、不満や怒りがひろがっています。
わずかな年金を頼りに生活している高齢者の、その年金から高額の保険料を天引きすることに対して、少なくない方が「年寄りは早く死ね、ということか」という怒りの声をあげています。健康保険の内容や受診できる医療内容まで、年齢によって差別をもうけるのは世界にも例を見ない愚挙であり、これらの怒りは当然です。
こうした制度が自分の身にふりかかることを知らない高齢者もまだ圧倒的に多いのも実情であり、来年4月にされれば、高齢者の怒りと混乱がいっそう広がることはさけられません。
そもそも喜寿、米寿、卆寿、白寿と、その長寿を祝い、尊敬の対象とされるべき高齢者に対して勝手に「後期」などと名づけること自体、高齢者の未来を否定するものであり、まったく人間愛が感じられません。
現在70代、80代、90代となった方々は、その少年期、青年期を戦争に奪われた世代でもあります。その方々がつらい時代を生き抜き、復興に尽力していただいたからこそ、私たち戦後生まれの世代が、今の暮らしを享受しているのではないでしょうか。にもかかわらず「世代間の公平化をはかる」などの口実で、新たな負担を押し付けるのは戦争体験世代に対するあまりにひどい仕打ちです。
区長は、戦争を経験した世代の方々が社会に果たした貢献についてどう認識していますか? また、区長としてその貢献にどう応えるべきとお考えですか? お答えください。
そして高齢者いじめともいえる「後期高齢者医療制度」については、その中止・撤回を強くもとめていただきたいが、いかがでしょうか。
坂本区長の答弁
現在、75歳以上の方々は、青年期、壮年期という大切な時期に戦争を体験し、たいへん苦労をされたほか、戦後の復興や高度成長を支えてきた世代であると認識しております。
板橋区では長年ご苦労された高齢者の皆様が充実した老年期を過ごせるよう、健康で生きがいを持ち、安心して暮らせる地域づくりをめざしてまいりたいと思います。
平成20年度から始まる後期高齢者医療制度の創設は、急激に少子高齢化が進む中で、国民皆保険制度を維持する方策の一つとして考えられたものでございます。
現在、区では、区民や高齢者にかかわるケアマネージャー等に対し、この制度の周知に努めるとともに、システムの整備や組織体制づくりなど、総力をあげて制度移行の準備を進めているので、ぜひともご理解、ご協力をお願いしたいと思います。