きょう3人の死刑囚の刑が執行された。今回の刑執行では、鳩山邦夫法相の判断で、はじめて刑をうけた死刑囚の氏名が公表された。死刑制度そのものにも是非を問う議論があるが、氏名公表の必要性については大きな疑問が残る。
鳩山法相は、「法と正義に基づいて適正に執行していることを世に示し、国民の理解を得るために決断した」と公表した理由を述べているが、中世の「さらし首」を連想させる発想だと思う。
死刑は生命を奪うという日本の最高刑だが、氏名の公表はそれ以上の刑を科していることにはなりはしないか? 氏名公表によって、死刑囚の親族や関係者にどんな波紋が及ぶのだろうか? 被害者の側でも、歓迎する意見だけではあるまい。
「適正に執行していることを世に示す」ために、事件の関係者が再び苦しむとしたら、これはたいへん罪深いことだと思う。
法相には再考を願いたい。
Excite エキサイト : 社会ニュース