「政治家がウソをついても許されるのはいつ解散するかについてだけ」と言われるぐらいだから、国会解散の日程ほど予測できないものはない。だからこそ、マスコミは「予測記事」を書きたがるのだろうが、解散されるその日までは、それは不確かな「予測」でしかない。
一方で、選挙の準備実務は国会内の駆け引きに右往左往していては進まない。そんななかで埼玉県の2市選管で「10月26日投票入場券作っちゃった」という珍事が起きてしまった。とても笑えない話。
というのは、板橋区の選管でも選挙日程が決まらないことに苦慮しているからだ。少しまえに聞いたときには、「10月26日」を含む3パターンの日程を想定して準備を進めていたそうだが、いまではその3つのパターンともに可能性が低くなっている。板橋区では、無駄な入場券を印刷するような落ち度はまったくないが、埼玉の事例は「対岸の火事」とはいえない。
10月、11月のこの時期は、投票所ともなる小中学校は運動会や文化祭、周年記念式典などの行事が重なる時期でもある。施設使用は「選挙優先」とはいかない事情もある。ポスター掲示板の設置も、場所によっては「道路占有許可」などの届け出が必要になるが、これも日程が確定しなければ提出できない。
実務の多くは日程確定後でなければ準備できないようだ。
でも、やはり新聞報道だけでゴーサインを出してしまう選管というのは、どうだろう? 無駄な入場券作成のための出費はそれぞれ8万円、10万円であったというが、「たいした額じゃないから、いいか」というスキはなかったのか? 笑えない話をあえて嗤って「反面教師」としたい。
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